約138億年も前に宇宙はビッグバンにより誕生した、その直後にH2原子を形成する陽子や電子が誕生したといいます。
30万年から40万年経過した段階で陽子は電子を捉えH2原子が誕生し、これは水素ガスとなり
宇宙空間に拡散し星間物質として宇宙が完成したなどの由来が存在します。
また、全宇宙の約9割の元素を占めるなどからも、最も多く存在する物質であることが分かるのではないでしょうか。
地球を構成する元素には、酸素やケイ素などがあり、これに次ぎ3番目に多いのが水素です。
元素記号はH2になり、これに酸素O2が結合すると水(H2O)になるわけですが、地球は水の惑星といわれており、
H2は気体として地球上に存在しているわけでなく酸素と結合して水となり安定した状態で存在するなどの特徴があります。
常温および常圧の状態では非常に軽い気体物質なので地球の重力がある限り大気中に留まることは不可能です。
なお、太陽エネルギーの源としての役割もあります。太陽のエネルギーは地球の生命の源になるもの、
植物は光合成を行い酸素およびデンプンなどの有機物を産出しますが、この有機物は
地球の中での動物が外部から得ることができる唯一のエネルギー源です。
水素は、人間の体を構成するために最も重要な元素です。
全体の約63%(元素数比)を占めていて、質量においても酸素や炭素に次ぎ3番目に重量があるといいます。
体重60kgの場合、約6kgが水素の重量になります。
人間の体の中では、大半が水の形で存在しているわけですが、水以外にもタンパク質や脂質などの材料にもなりますし、
生命の設計図と呼ばれることもあるDNAの中での重要な役割を持つことから人間の生命活動に欠かせない物質とされます。
DNAの構造は、梯子を捻るような二重螺旋構造になっているのが特徴で、
アデニン・チミン・グアニン・シトシンの塩基が組み合わさるよう結合しているのが特徴です。
これらを結合させているのがH2であり、その結びつきのことを水素結合と呼びます。
DNAは複製および転写を行い細胞分裂を行い、これにより生命活動が起こるようになるわけです。
これを可能にするためには塩基ペアが容易に解ける、もしくは結合しなければなりませんが、
このような仕組みを実現しているのも水素の役割であり、細胞内のミトコンドリアにおいては
内外の水素イオン濃度の差を原動力にしてエネルギー物質を作り出すなどとても神秘的なことが行われているわけです。